北海道・東北の民医連が主催する、地協中堅薬剤師研修会に参加してまいりました。
開催地の仙台には、特急おおぞら、特急北斗、北海道新幹線と乗り継ぎ、10時間ほどかかって到着しました。
研修会では、新薬の評価についてのワークショップがおこなわれました。
製薬メーカーが申請する新薬について、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が審議した結果をまとめた「審査報告書」という資料があります。薬の試験結果などがこれでもかとばかりに記載された重要な文書であり、かなり読みごたえはあるものの興味深い点も見受けられます。
たとえば、不眠症治療薬・デエビゴ錠(一般名:レンボレキサント)の審査報告書には、「実験用のマウスに高用量のデエビゴ錠を投与しておいたところにチョコレートを与えて大喜びさせると、全身の筋肉が脱力した」とあります(注:平易な表現にあらためました)。
デエビゴ錠はオレキシンという神経伝達物質の働きを抑えて睡眠をもたらしますが、オレキシンは睡眠や脱力にかかわるほか、摂食やエネルギー消費にも関与するとされます。一方、喜びなどの情動には別の神経伝達物質・ドーパミンが大きく関係しています。
新しい薬に、期待できる効果はあるのか? 危険な副作用はないか? 問題意識を持ち、他社の薬剤師さんたちと議論できたのは大きな収穫でした。薬理学や統計学などの復習もできたかもしれません。みなさま、ありがとうございました。
空いた時間に、仙台市内の動物公園に行ってみました(注:生物学の勉強です)。
園内では梅の花が咲いています。
春の日差しが気持ちよいのか、あおむけで寝るトラ。
前脚がかくんとなって脱力したラクダ。
私も帰りの列車の中ではすっかり脱力して、家路につきました。
(薬剤師:岡部 正史)