「かかりつけ薬剤師」という制度があるのをご存知でしょうか。
患者さんにそれぞれ専属の薬剤師=かかりつけ薬剤師がついて、毎回、服薬指導をおこなう中で、
▶薬の効果がちゃんと出ているか? 副作用と思われる症状は出ていないか?
▶薬の飲み忘れや飲み間違いがなく、正しく服用できているか? 薬がどれほど残っているか?
▶複数の医療機関や診療科から処方された薬、もしくは市販の薬との間で、飲み合わせが悪いものや同じ効能のものなどはないか?
といったことをチェックするとともに、体調や薬、健康食品などに関する質問や相談にも応じるというものです。もし薬局の営業時間外であっても、電話による相談も受け付けています。
このように、1人のかかりつけ薬剤師が1人の患者さんの服薬状況を継続的、一元的に管理し、場合によっては医療機関と連絡をとりあい、健康をサポートするというのが制度の概要です。
2016年度より導入されている制度ですが、私は今年に入ってから、新たに4名の患者さんのかかりつけ薬剤師を務めるようになりました。まだまだ、緒についたばかりです。
しかし、世の中は広いもので、1000人の患者さんの専属になっているスーパー薬剤師もいらっしゃるとか。
1000人・・・仮に全員が3カ月に1回しか薬局に来ないとしても、1年で延べ4000人・・・法定休+有給休暇をのぞいて年に300日働いたとしても、1日あたり13.3人。全員が2カ月に1回来局するとしたら、1年で6000人、1日あたり20人。
数字だけみればこなせなくないかな? とは思うものの、自分だったら患者さん1000人の健康をサポートできるのか? 全員の満足度を高め、安心させてあげられるのか? そもそも1000人の名前と顔が一致するのか? などを考えると、ちょっと背筋を正される思いがします。
(注:かかりつけ薬剤師が投薬した場合、保険の負担割合にもよりますが30~90円がお薬代に上乗せされます)
でも、まずは足を踏み出すことから。1000人どころか100人でも大変なものですが、「この薬剤師さんから薬を受け取りたい」と思っていただけるように努めてまいります。
(薬剤師:岡部 正史)