秋も深まり、公園の木々も色づいた葉を落としています。
紅葉や落葉は、人間からしてみれば趣があるもの。
ただ、植物にしてみれば、単に日照量と気温が低下して、光合成という事業を縮小しているのでしょう。
葉の維持に必要なエネルギーと、葉を広げて光合成で得るエネルギーを計算し、(店じまいしないと赤字かな)と思ったら落葉してコストカット。
冬に適した事業規模で再スタートする、植物たちの生存戦略ですね。
なお、葉緑体の中で光合成を担う緑色の色素・クロロフィルが消失し、抗酸化物質のカロテノイドが目立つようになると黄色に、アントシアニンという物質が目立つようになると赤く見えるようになります。
ちなみに、カロテノイドはカボチャやニンジンの色。アントシアニンはブドウやイチゴの色です。
おいしい旬の食材が出回る、実りの秋。人間も生存戦略が大切です。
彩りの豊かな野菜や果物をもりもり食べて、冬の寒さに負けない体づくりにつとめましょう。
(薬剤師:岡部 正史)