日々の業務では、骨粗鬆症や、副甲状腺機能亢進症の治療薬などを調剤することがあります。いずれも、骨の形成や破壊に関与する薬剤です。
骨は日々、一部が作られ、一部は壊されて、少しずつ置き換わっていますが、通常は、私たちがその変化を意識することはほとんどありません。しかし形成と破壊のバランスが崩れると、骨がもろくなって折れたり、別な組織が石灰化し硬くなるなど、病変が起こります。
骨は、私たちの身体を文字通り支える、大切なもの。そして、骨の主要な成分であるカルシウムは、その役目をはたす一方で、筋肉の収縮や血液の凝固、はたまた受精の際にもはたらくなど、非常に重要な役割を担っているミネラルです。
そもそも、骨とはいったいなんなのか?
太古の昔、まだ海中を泳ぐ魚であった私たちの祖先は、次第に塩分の少ない河口の周辺、そして淡水に適応するようになりました。カルシウムは生命の営みに不可欠であるものの、淡水には海水ほど十分なカルシウムは含まれていないため、余分なカルシウムをエネルギー源であるリン酸とくっつけて骨(リン酸カルシウム)として蓄え、貯蔵するようになったと考えられています。
一方で、魚類が陸上に上がり始め、両生類、そして爬虫類に進化する過程で、水の浮力のない環境で重力に逆らって体を支える必要が生じ、頑丈な骨格が発達してきました。淡水よりさらにカルシウムの乏しい環境である陸上において、骨はその貯蔵庫としてより重要になり、同時に運動器官のかなめとなって脊椎動物の生存を可能にしてきたのでしょう。
さて、釧路湿原マラソンが7月27日に開催され、去年と同じ15kmウォーク部門に参加しました。
小雨の降る中を3時間半のあいだ歩き続けましたが、ウェアやシューズはぐっしょり、足腰も痛くなり、さすがに体が重く感じられました。ひょっとしたら、陸上に上がったばかりの魚類や両生類も、こんな気分を味わっていたのかもしれませんね。

(薬剤師:岡部 正史)