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微生物の狩人

2023.12.26

薬が足りない。

風邪の症状に効く薬、なかでも咳止めや痰切り薬が、品薄となっている状況です。
 

秋ごろからインフルエンザの患者が増え続けていることが一因なのでしょうか。
 

一方で新型コロナ感染症にかかる人もまだ少なくなく、なかなか収束には至らないようです。

しかしながら、人類の歴史は、感染症とのたたかいでもありました。

学生の頃に読んだ「微生物の狩人」(上・下巻、岩波文庫)には、人間が微生物を発見し、調べ、そしてたたかってきた経緯が生き生きと描かれています。

レーウェンフックが初めて顕微鏡で微生物を見いだし、のちにパストゥールやコッホらはそれぞれ炭疽、結核といった病気と病原体を研究し、治療法を探ります。

メチニコフは免疫細胞を見つけ、そしてジフテリアやマラリアに挑むパストゥールやコッホの後継者たち。


最終章では、エールリヒが梅毒の特効薬・サルバルサンを開発し、ひとまず物語は終わります。

1723年にレーウェンフックが没してから、今年で300年。
 

以来、医学は長足の進歩を遂げましたが、感染症とたたかいつづける現在の我々を、偉大な先人たちはどう思うのでしょうか。

(薬剤師:岡部 正史)